今年ももう暑い夏がやってきます。しかし例年と違う箇所が一つ…それは、全員がマスクをつけているということです。帝京大医学部付属病院の高度救命救急センター長はこれについて「我々は大勢の人間が夏場にマスクをつけて過ごすという全人類が未だかつて経験していない夏を迎えることになる」と指摘していましたが、確かに好き好んで一年中マスクをつけている人はいてもそうではない方が多数ほぼ強制的にマスクを着用させられている現状は前代未聞でしょう。
慣れている方であれば夏も平気で越せてしまいますが、不慣れな場合ではそうもいきません。弊害として挙げられるのが「熱中症」です。これは最も注意すべき事ですが、マスクを着用していなくても発生するというのに夏場にマスクを着用するとなると熱中症を回避するのはこれまでよりも難しくなります。
どうしてマスクを着用すると熱中症のリスクが高まるの?
マスクを着用する事で熱中症のリスクが高まる理由について、環境省は「マスクを着けている事で心拍数や呼吸数が上昇。体に負荷がかかってしまい、熱中症のリスクが高まる」と述べています。人間は夏に限らず気温が高くなるなどして体内に熱がたまるとそれを発散、解消するために汗をかいたり呼吸によって冷たい空気を取り込んだりして体温調節をします。しかし、マスクを着用すると呼吸により取り込む空気は自分の吐息になってしまうので温かく、身体を冷やす目的を果たすどころか体温の上昇を手伝ってしまう事に繋がってしまうのです。その上顔の半分近くを覆われてしまう為中に熱が篭りやすくなってしまい、さらに熱が発散しにくくなってしまいます。また、マスクには加湿効果がある為一見水分が取れているように錯覚してしまい、喉の渇きを感じにくいことも。
マスクに困らされる事に加えて、今年の気温は平年通りかそれよりも暑いと気象庁が発表しているそうで、マスクとともに生きる今夏ではこれらの要因によって熱中症が発症していると気づきにくくなってしまい、気づけば危険な状態になっていたという事態が多くなると予想されます。
このように暑い気温でありながらマスクと離れられない生活を強いられると見えている夏ですが、恐ろしいのは熱中症患者の救急搬送増加による医療機関のパンクや院内感染の拡大です。
とはいっても猛暑であった2018年時には全国でおよそ9万5000人もの人が約5カ月間で熱中症により救急搬送されており、もしも同じ人数かそれ以上が搬送されてしまえば防ぐのには困難を極めてしまいます。
ではどのようない事に気をつけながら夏を過ごせば良いのでしょうか。
マスクをつけながら熱中症を防ぐにはどうしたらいいの?
マスクを着用していても基本的な防ぎ方はしていない時と同じです。まず、喉の渇いた渇いてないに関わらずこまめに水分補給をしましょう。日常生活において喉が渇いてないのに飲み物を飲むことはそう多くないと思いますがマスクをしていると更に渇きに気づきにくくなってしまいますので忘れずに行ってください。
この時、思いっきり水をあおるのでは体内に吸収されにくくなってしまいますのでゆっくりと飲むようにしましょう。大人の方だけでなく、喉の渇きを感じにくくなってくる高齢者の方や喉の渇きに気づきにくく訴えにくいお子様に水分を与えることも忘れずに。
次に、室温の管理・調整です。窓を開ける、換気扇を回すといった方法で換気をする他、惜しまずに冷房を活用するようにしましょう。自粛期間でなにかと財産を切り崩しにくい状況ではありますが何よりも大事なものは命です。しっかりとお家を涼しくして下さい。
そして最後は外出先でのお話です。マスクを着用して外で運動をする時、汗をかいたり息切れしてしまったりとマスクを煩わしく感じてしまった経験はございませんか?かといって休憩したいからとマスクを外すのは心配。そう思う方もいらっしゃるでしょう。なにより暑い日に無理して人口の多い場所へ赴かない、お出かけを控えるというのが一番手っ取り早いですがそうもいかないのも事実です。
外でのマスク着用について小泉進次郎環境相は「マスクを外して大丈夫というメッセージいつであってもないが、密閉、密集、密接の3密をクリアしている環境下でしっかりとリスクに配慮していればマスクを外しても問題ないケースもあり、これを満たす事で感染拡大防止との両立もできる」と26日の閣議後記者会見で発表しています。
外出中に暑さによる苦しさを感じる、めまいを起こしているなどの熱中症で見られる症状が表れていた場合は人通りの少ない、ない場所で休み、1度マスクを外して呼吸を整えてみましょう。勿論この時に水分もしっかり摂取してちゃんと休んで下さい。