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台風19号(ハギビス)がもたらした深刻な被害と今後の対策とは?

台風19号はなぜスーパー台風に!?振り今後の対策とは?

2019年10月に発生した台風19号(令和元年東日本台風)は瞬く間にその勢力を拡大させ、甚大な被害を日本全国に及ぼしました。特に関東圏では、川が氾濫したり、堤防が決壊したりとこれまでにない被害を及ぼしました。では、この台風19号を振り返り、今後にどう対応すれば良いか述べたいと思います。

 

台風19号の発生から消滅まで

2019年10月、過去最強クラスの台風19号は強い勢力を保ったまま、伊豆半島に上陸し、台風の接近、通過に伴い、西から東日本の広範囲に渡って甚大な被害を及ぼしました。中でも静岡県、関東圏、東北の広範囲を長時間にわたってゆっくり進行したため、被害が甚大となりました。
では、なぜこの台風19号が例年に比べ、スーパー台風となったのかについて解説してみます。主な原因は地球温暖化だと言われています。地球温暖化のために以下、2つの要因がスーパー台風をもたらしていると考えられています。
 

①温暖化により、海面だけでなく深海も温めている 

②温暖化により、台風の移動速度が減速化している


①についてですが、温暖化の影響により、海面だけでなく、深海も温めるようになり、海洋熱が年々増えていることが、問題視されています。海洋熱は熱帯低気圧にとって、燃料のような役割を果たし、その結果、台風が年々、強力化していると考えられています。

②についてですが、1946年~2016年の間に熱帯低気圧の移動速度は、世界的に10%減速しているとしており、温暖化の影響で、夏の大気の循環が世界的に減速していることが、台風の移動速度を減速化させているとしています。

この理由から、10月9日に確認された台風19号は、その勢力を拡大させ、10月12日の19時前に伊豆半島に上陸しました。10月10日から13日の間に、東日本を中心に大雨をもたらした後、10月13日の12時、温帯低気圧に変わり、消滅しました。

 

台風19号被害状況の全容

台風19号被害状況の全容

・死者・行方不明者併せて87名
91名の内、65歳以上の高齢者が65%を占めており、約74%が水害で亡くなられています。
又、自宅でなくなられた34名の方のうち、79%が高齢者の方であり、屋外で亡くなられた50名の方のうち、車での移動が約半数超となっており、高齢者の方が逃げ遅れてしまった割合が高く、車での避難も困難だったと考えられます。

・住家の全壊など
住家の全壊は3067件、半壊は2498件、一部破損は26039件、屋上浸水は11408件となっており、平成30年7月に発生した大雨豪雨に比べて大幅に上回る住家の被害が発生しました。

・土砂被害
 土砂被害は962件発生しており、東日本を中心に20都県に渡って950件を超える土砂被害が発生しました。この内8件において、40件以上の土砂被害が発生しており、被害が広範でした。これは、土砂被害が100件以上発生した大型台風(過去10年)における平均値を大幅に超過する件数となっています。

・河川の氾濫
 河川の氾濫に関しては、以下の通りとなっています。

・国管理河川:堤防決壊6水系7河川12ヶ所
(鳴瀬川系吉田川、阿武隈川系阿武隈川、久慈川水系久慈川、那珂川水系那珂川、荒川水系都幾川、信濃川水系千曲川)

・県管理河川:堤防決壊7県20水系67河川128ヶ所
(宮城県4水系18河川36箇所、福島県11水系23河川49箇所、茨城県2水系4河川6箇所、栃木県2水系13河川27箇所、埼玉県1水系2河川2箇所、 新潟県2水系2河川2箇所、長野県1水系5河川6箇所)

このように各河川の氾濫によって、堤防の決壊も引き起こされました。関東・東北地方を中心に計140ヶ所で堤防が決壊し、国管理河川だけでも約25,000haの浸水が発生しました。主な河川の氾濫をみてみますと、

・長野県長野市の信濃川水系信濃川では、堤防の決壊により、約1,360haの浸水が発生し、市全体で床上浸水が3,305戸、床下浸水が1,781戸の家屋被害が発生しました。

・福島県須賀市の阿武隈川水系阿武隈川では、堤防の決壊により、約3,400haの浸水が発生し、市全体で床上浸水が868戸、床下浸水が208戸の家屋被害が発生しました。

・埼玉県川越市の荒川水系越辺川では、都幾川では、堤防の決壊により、約2,200haの浸水が発生し、市全体で床上浸水が329戸、床下浸水が72戸の家屋被害が発生しました。

・茨城県常陸大宮市の久慈川水系久慈川では、堤防の決壊により、約1,650haの浸水が発生し、市全体で床上浸水が475戸、床下浸水が87戸の家屋被害が発生しました。

このように、関東甲信越地域の河川氾濫の結果、堤防の決壊が引き起こされてしまい、同時多発的広範囲に及び甚大な被害が発生しました。

 

今だから言える今後の対策

 今後の台風は温暖化の影響により、スーパー台風になる可能性が極めて高くなってきていると言えますね。その為、そういったスーパー台風に備えておくとこが肝要だと言えます。では、具体的にどういった対策をしていけばいいのでしょうか?考えられる対策を以下にまとめてみます。

 

化石燃料を減らす取り組みを

 自動車は現在もガソリンという化石燃料を使用していますが、今後は電気自動車などの環境に配慮した燃料を使用して、そもそもの原因である温暖化の進行を抑える必要があると言えます。

その為、出来る限り、化石燃料を使用しないことが今後重要となってきていると言えます。世界的には気候変動枠組条約(通称COP)でCO2削減の取り組みが行われていますが、アメリカが参加しないなど、世界が協力的に動いているとはいえない状況です。

しかし、日本ではスーパーのレジ袋を有料化したりなどの、資源を無駄に消費しない取組みが活発化しており、そういった取り組みを通して、世界的に働きかけていると言えるでしょう。個人としてもそういった取り組みを通して、温暖化の進行を防いでいきたいですね。

通信環境の整備

 大雨や強風により、通信設備に障害が発生してしまい、インターネットに繋げることができないといった事態に陥る可能性が高いと言えます。その為、どんな状況でも情報を得られる機器をあらかじめ購入して、自宅で保管しておくと良いと言えるでしょう。

例えば、防災用ラジオをあらかじめ購入しておき、万が一、インターネットが繋がりにくい状況に陥っても、ラジオで速報を聴けるようにすれば対応できると言えます。

避難場所の確認

 普段は全く意識しませんが、先ほど述べたように、避難が追い付かずに最悪亡くなってしまった方が特に高齢者の方に多いと言えます。その為、事前に避難場所はどこなのかを把握しておき、忘れないように防災グッズなどと一緒に避難マップを入れておくと良いと言えます。

避難場所は学校や、市の大型施設などが多いので、人がたくさん集まると場所だと言えます。現在は新型コロナウイルスの影響で、3密もできるだけ回避しなければならないので、マスクなど密集に対応するグッズもあらかじめ準備しておくことをオススメします。

また、海にの近いエリアに関しては台風や発達した低気圧が通過するとき、潮位が大きく上昇することがある高潮に注意し、事前に潮位情報を調べておきましょう。
 

全国の潮見表はこちらから
 

危険な場所に近付かない

 大雨により河川の氾濫、堤防の決壊が実際に多数報告されているように、台風によって被害が予想される場所には、極力近付かないようにしましょう。住居が河川に近い場合は、その河川がどれくらいまでの雨量なら耐えられるのかあらかじめ市役所や県のホームぺージで調べておき、スーパー台風に備えましょう。

避難する時はむやみに車を使わない・外出しない

 車での避難に遅れてしまったのが原因で亡くなってしまった方の割合が高いという点から、出来るだけ避難する際は、徒歩で避難場所まで向かいましょう。距離が遠い場合に限り、車を使用するようにした方が良いと言えます。又、自宅におり、避難する必要がない場合も不必要な外出は控えるようにしましょう。

 

まとめ

台風19号のようなスーパー台風は、温暖化の影響により、今後も継続的に発生すると予想されています。その為、そういった災害が発生することに備えて、準備しておき、有効な対策をとれるようにしていきましょう。

台風19号(ハギビス)がもたらした深刻な被害と今後の対策とは?